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「興味無いから、落ち着いて下さいお願いします」
「それもそれで何だか来るものがあるんだけど」
睨む櫻を余所に、冷静に今の状況を再分析することにする。
うむ。分からない。
「で、だ」
俺は三度目の咳を付くと、もう一度櫻に視線を置く。
「なにゆえ、貴女はさも当然の如く我が家に上がり込んでいるのでしょうか?」
先程よりも分かり易く言葉を付け加え問うた。
櫻は、またしばし考え込むと閃いたように、口を開く。
「なんとなーく?」
「把握、今すぐ出てってくれ」
「わわ!! 利用するだけ利用してそれはあんまりだと思いまーす」
ボソッと「めんどくさい女だな」と呟くと、櫻はニヤーっと勝ち誇ったような表情をするもんだから、俺は何故だか敗北感を覚えてしまった。
凄く、屈辱です。
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