02:桜なのか櫻なのか

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  なんとかこの話を白紙に戻す為の決定打がほしい。   残念だが、先程の設問は決定打に成り得ない。 気を取り直して次だ次。       「なんで俺?」   「つ、鶴来君そこそこかっカッコいいし、それに……下心が無さそうだから!!」   言い終えると、櫻は恥ずかしそうに顔を紅潮させる。         か、可愛いじゃないか。               じゃあなくて!!   勢いで一日彼氏を引き受けてしまったら、俺は平穏とさよならしなくてはいけなくなる。       愛してるよ、平穏。   だから少しだけ力を貸しておくれ。   俺は次の質問を口にする。        「告白防止が理由みたいだけどさ、なぜ告白の全てを断っているのかを聞きたい」           今まで櫻に告白した男達の中にも、めぼしい人が何人かいた筈だろう。   そこが賦に落ちない。 だってそうだろう?   櫻に彼氏がいれば、俺はこんな申し出をされなかったのだから。       反面、踏み込み過ぎたかなと反省している自分が怖い。   紳士足るもの櫻にも櫻也の深い理由がある、そう考え配慮するのが例に習ってる在り方。   紳士じゃないんだけどさ。   踏み込まれたくない闇は誰にでもあるだろうし、嫌な質問をしたかも知れない。
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