~序章~

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ここは賑やかな農業が盛んな農村ネルシス。また、この村は神の子孫の一人が治める村でもあった。そしてその賑やかな市場に二人の少年と少女の姿があった。                                 「なぁ・・・ルナ、おつかいはこのくらいにしてじいちゃんの家に遊びに行こうぜ?」                     腰に剣を差し、茶色い髪をした金色の瞳が印象的な少年が少し不機嫌そうな顔をして言った。 そして隣にいたルナと呼ばれた黒髪を肩まで垂らした少女が少し怒った口調で言う。                「今日ぐらいは私の16才の誕生日なんだからつきあってよ!ヴァイス?」 「へいへい!わかったよ」                ヴァイスと呼ばれた先程の少年は仕方ないように返事した。 それに対してルナはため息を一つした。                「じゃあ、魚を買ったらおわりだから家に帰る前におじいさまのお家によろ?」 ヴァイスがあからさまに喜んだ口調で言う。                「よっしゃ!さっさと魚を買っていくぞ!」 「げんきんなやつめ・・・」 ルナが聞こえない大きさで言った。
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