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「中沢から話は聞いた。あいつ心配しとったぞ。」
直貴が席に着くなり柏田は言った。
「なんで俺がクビに…。」
「それはお前がエースとしてやってはいけないことを繰り返したからだ。」
「やってはいけないこと…」
エースだった柏田の言葉には説得力があった。の直貴には、今までの自分の暴挙が思い出されて来た。今までそれを球団のせいにしていたが、それが間違いだったことにやっと気がついた。
そして、それはもう取り返しのつかないこと。もうブルドッグスには戻れない…
直貴の涙腺から熱いしずくが流れ落ちた。
しばらくして、直貴の前に中ジョッキが置かれた。
「今日は飲め。」
柏田が言うと直貴は無言でそれを一気に飲み干した。
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