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20××年10月9日、東京スタジアム。この地を本拠地とする東京ブルドッグスは20××年シーズン最終戦を迎えていた。ブルドッグスは今年はリーグ最下位、相手チームの横浜シャークスは優勝を決めている。
マウンドに上がっているのは球界屈指の左腕平沢直貴(21)。球速は常に150キロ超、落差の大きいフォーク、キレのあるスライダーを持ち、この日も当たり前のように⑨回②死まで無失点投球を続けていた。
ところが平沢はあと①死のところでいきなり豹変した。
「毎年、毎年、オレが大量に貯金してやってんのに、いつまでたってもビリじゃねーか💢」
平沢は自分の投球が報われないことに苛立ちを覚えていた。最後の打者に対してカウント0ー3。④球目を投げた瞬間、シャークスファンから悲鳴が上がった。
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