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西原の負傷により、直貴は世間の大顰蹙を買った。なかには球界から追放しろという意見もあった。
そんなことはおかまいなしに、直貴は契約更改のため、新橋にある球団事務所に向かった。
「今回は二億越えじゃなきゃサインしないぞ。投手で頑張ったのは俺だけだからな。」
直貴がそう考えるのも無理はない。今季直貴は試合を一度も壊さなかった。苛立ちによる暴投や死球も大勢決したマウンドでしかなかった。
直貴が席につく。
球団社長で清水監督の従兄弟でもある清水暁夫は口を開いた。
「平沢クン、君の来季の年俸は…」
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