1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ギャーーーーー!!!」
(!!!!!!!!!!)
又又又暫くすると、遠くから三流ホラー映画に出てくる女の悲鳴ような声が聞こえる。
(何? マジで悲鳴? それとも名所関係の心霊現象? どっちにしても嫌な事このうえねぇ~)
「……」
大体、さっきからなんだよ! 俺が寝ようとするタイミングで変な音が聞こえてくるぞ! これじゃ眠れねえよ!
それ以前に、獣やら霊やらが不意に襲ってくる事を考えてしまい、目が冴えきってしまっている。
「取り合えず、寝袋からは出るか」
そう呟いて寝袋のチャックを下ろす。すると、
「ヌッヘッホーーー!!!」
楽しそうな女の山彦が聞こえてきた。……これはヨモギだ。
(あ、あいつは、一体夜中になにしてんだよ!)
……待てよ。ヨモギのアホヴォイスのお陰で少し冷静さを取り戻すと、ある事が思い返される。
――茂君みたく、人が迷って困ってるのみて楽しんでるんだよ。
もしかして、今までの変な音の数々は主の嫌がらせ。フェイクなんじゃないのか? かと言って本当だったらどうする? 寝袋に入ったまま食い殺されたり取り憑かれたりするのはごめんだ。
そんな考えのせめぎ合いで、せっかく少し冷静になったと思ったら又混乱してくる。そこで出た結論が、
「朝まで起きていよう!」
だった。
最初のコメントを投稿しよう!