†唄†

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†(未題)† 毎日毎日見慣れた森 変わることない景色に溜め息 いつも通り歩いていたら 出会ったの 白い毛皮に包まれて 長い耳を揺らし歩く 赤色ベストが似合う 大きな懐中時計を持つアナタに 一目見てすぐに高鳴る鼓動 胸を焦がした 気づかれないようにと嘘で固めたコートを羽織って アナタの足跡なぞって森を歩いた ホントは気づいてほしい でも怖くて苦しい 小さな胸 張り裂けそうで 出ない言葉は涙に変わる ホントはアナタの背中を見ていたいわけじゃない 隣を一緒に歩きたいの でもアナタはいつも懐中時計を見つめてる 気づいて 気づかないで 気づいて 気づかないで 怖くて苦しいだから気づかないで 押し殺してアナタの姿見てるだけでも幸せだから 平気だから…そう思い込もう 嘘のコート森の木々に引き裂かれていく 私の心とうらはらに… 気づいて気づいて私を見て その懐中時計になりたい もう隠し通せない この想いを 風が頬をなでるぐらい小さな感覚だけでも感じて 時計ばかり見ないで 私を見て もうコートはないの
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