彼女は鬱病

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そして、その心のままに彼女に話しかけた。 「何で死のうと思ったの?」 カウンセラーの皮を被ったオレは続ける。 「何か辛いことでもあったの?」 「なんなら相談にのろっか?」 全ての音が目的地を見失い、宙に散っていった。 ため息が口から溢れ落ちる瞬間、オレはそれを即座に吸い直した。 目の前には、さっきまで後ろを向いていたはずの彼女がいたからだ。 彼女は、今まで見せてくれなかった顔を満面の笑みで飾り、一言言った。 「付き合って下さい」
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