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勿論マユミはアイカにアドレスを教えてなどいない。おそらく、アッくんの携帯を見たのだろう。
マユミはこのメールを見て
「わざわざアド調べてまで、こんなメール送ってくるなんて!」
と、憤慨していた。
「会ってもいい」多くの人がこの言葉で感じる怒りは自分を見下しているという事だろう。
しかし、マユミは違った。
「『会ってもいい』ってアッくんはオマエの所有物かよ!」
確かに、こういう感情も沸くだろう。しかし今、アッくんはアイカの彼氏。
マユミがその事実を受け入れられなかったのか、アイカから「会ってもいい」という許しがあるからなのか、マユミは付き合っていた頃と変わらない頻度でアッくんと会っていた。
それどころか、付き合っていた時はキスまでの関係だったのに、今ではより深い関係をもつようになっていた。
それも、アイカに見せ付けるようにアッくんの胸にキスマークを残して。
アイカはキスマークに気付いているだろうが、何も言ってはこなかった。
他の女と関係をもっても、最後は必ず自分の元へ戻ってくるという自信だろうか。
マユミは、アイカに見せ付けるように付けたキスマークに何も言ってこないことに多少苛立っていたが、何も言ってこないからこそアッくんと会い続けていた。
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