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それから半年。マユミは就職して隣の市で一人暮らしをしていた。
久しぶりに地元へ帰り、友人のヨシコ・ミヅキと一緒に遊んでいた。
マユミは車を運転しながら、ふと呟いた。
「アレ…アイカの車だ…。アッくんが乗ってる…。」
なぜ、マユミがアイカの車を知っているのだろうか。マユミとアイカは面識がないはずなのに。
ヨシコ「見間違いかもしれんやん?」
ミヅキ「そうだよ~。それにアッくんはアイカと付き合ってんでしょ?別に一緒に車乗っててもなんもおかしい事ないやん。」
マユミは黙りこみ、その日は一日中暗い顔をしていた。
それから数週間たったある日、マユミがミサエを送っている。
マユミ「あのさぁ、ちょっと寄り道するけん。」
ミサエ「いいよ?」
マユミは小さな居酒屋の裏の人目につかない駐車場の前で車を止めた。
居酒屋だし、店の正面からだとわかりにくい場所にあるこの駐車場はおそらく従業員用だろう。こんなところになんの用があるのだろうか。
マユミはゆっくりと駐車場を見渡し、1台1台止まっている車を確かめた。
マユミ「…ない。あのさぁ、もう一ヶ所寄り道するから。」
そう言って、マユミは車を走らせた。着いたのはアパートの駐車場。
マユミはここでも止まっている車を1台1台確かめていった。
マユミ「アイカのところかなぁ。もう一ヶ所寄り道するけん。ごめんね」
ミサエは何も言わず頷いた。
着いたのは小綺麗なマンションの駐車場。マユミはゆっくりと駐車場を見渡すと泣き出してしまった。
ミサエはマユミが落ち着くのを待って、それから送ってもらった。
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