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山を登り始めて数時間。
まだ一匹もモンスターと遭遇していない。なんのことはない、俺のせいである。
人界の低級な魔物でもさすがに魔王には手をだすのをためらっているらしい。
ロジャー「妙だな…前来たときはもっとモンスターが襲ってきたのに。何か異変が起きてるのかもしれません。リオン殿、気を付けて進みましょう。」
うん、お前の隣にいるヤツが異変の原因だからね?
ヤベーなんか真面目な発言がスゲーおもしろく感じるんですけど。
しかしこれじゃ永久にロジャーはレベルあがらないな。いやはや、哀れな男だ。
ロジャー「むっ、頂上がみえてきたぞ。リオン殿、戦闘の準備はよろしいですか?」
いや、俺はお前のほうが遥かに心配だよ。いきなりドラゴン狩りって。
リオン「…ああ、大丈夫だ。いこう!」
山の頂上。それはゴツゴツとした岩に覆われたいかにも何かいそうな雰囲気に包まれていた。
ロジャー「…気を付けてください。ヤツはここに人が現れると必ず襲ってくる危険なヤツです!」
必ず襲ってくる…か。知性は低そうだな。となると人語も理解できそうにない…
魔族とは無縁だな。間違いない。
すると俺の耳に羽音がかすかに聞こえた。
リオン「来たようだ。」
そのすぐあとにロジャーも気配に気付いたらしく、武器に手を掛けた。
崖の下から大きな翼をはためかせながら巨大な竜がその姿を現した!
結構でかいぞ。魔界のと比べてもなんら遜色ない。
おそらく大昔に人界に降りた魔界の竜の末裔か…。
リオン「ひるむな、ロジャー!吹き飛ばされぬようしっかり腰を落として構えよ!」
ロジャー「ぐっ…承知!」
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