その手に最後に残るモノは

10/10
前へ
/117ページ
次へ
ロジャー「リ……オン殿?」      神の事なんてほっぽりだしてオレは彼の元へ駆け出した。      ロジャー「なんで……どうして………!!」      ミカエル「わかりません。突然現れて……。アナタを蘇生させると…いえ、アナタに命を分け与えると、糸が切れたように亡くなられて………。」        アラン「本当になんのためらいもなく、あっさりと…。信じられん光景だった。」      ロジャー「アナタはウソつきだ。勇者は勇気があれば何度でも蘇るなどと…なんという……詭弁。」      『うるせーな。お前は細かいトコ気にするよな。』     でも聞こえる。彼の声が。    『それよりどうだ?はじめての自分の意志、いや、夢っつったらおかしいか。神を倒せて。嬉しいか?』     いつもと変わらぬ、明るい口調。      ポタッ      あぁ、オレは泣き虫だ。結局また、泣いてる。      ロジャー「アナタのせいで、どうもスッキリしませんね。」       ジジッ      あぁ、世界が消えかけている。      『たぁーっ、それだよ。やっぱ生意気なヤツ。言いたかったんだけどさ、オレのほうがオマエより何百歳も年上なんだぜ?もうちっと敬えよな。』        ロジャー「相棒にそんな気を使った態度はとれません。そうでしょう。リオン………。」      ザザッ ジッ ザッザザッ      『ついに呼び捨てか…かぁ~でもま、なんだな……………悪くねぇな。』        ノイズが酷くなる。      世界が崩れていく。        そんな、この世の終わりのまっただ中で。      ロジャー「ふふ、はは…ははははっ。」      『ぷっ、ははははは……。』                  俺たちは、笑っていた。               ジッ          ザッザザッ        ザッジッジジッ    ザーーーー―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――プツン
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

719人が本棚に入れています
本棚に追加