ドラゴンの棲む山

5/6
前へ
/117ページ
次へ
*リオン「すまぬ、人界の竜よ。私は魔王。わけあって貴様を殺さねばならぬ。 しかし案ずるな。貴様の子等は魔界にて責任をもって引き取り、立派な魔族に育てるよう手配しよう。」             それを聞いた竜はさっきより少し穏やかな表情になると                       「あの子たちを…頼む。魔王様。」                    と言い残しこうべを垂れた。                       すまん、しかしこれも魔族の存亡の為!                  俺が竜の首に剣を振り下ろそうとしたその瞬間!              ロジャー「待ってくれ!リオン殿!!」                  ロジャーが叫んだ。   思わず着地を忘れ地面に転げ落ちてしまった俺。              リオン「イテテ…どうしたというのだ?ロジャー。」            ロジャー「アレ…ドラゴンのはるか後方を見てくれ。」                       ロジャーは巣を指差した。 まさかコイツが気付くとは…一応話合わせておくか。            リオン「あれは…竜の卵?」                       ロジャー「もしかしたら…俺達はとんでもない勘違いをしていたのかも知れない。」                      オイ、達って言うな。お前だけだから。                  リオン「まさか…この竜はあの卵の子達を守るために?」                      ロジャー「ええ。はじめに言っておいてなんですが…その竜を逃がしてはどうですか?」                    オーイ、それ完全に俺が悪いみたいな言い方じゃない?腹立つわ~コイツ。              斬っちゃおっかな?どうせ蘇るし。                   いやいやここは抑えよう。            リオン「…そうだな。第一この竜が魔族ならば人語を喋るはずだがそれがない。」           これは事実である。魔界の生きものは人語を話す。             ロジャー「そうなのですか…この竜には悪いことをしてしまった。」                
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

719人が本棚に入れています
本棚に追加