719人が本棚に入れています
本棚に追加
*リオン「すまぬ、人界の竜よ。私は魔王。わけあって貴様を殺さねばならぬ。
しかし案ずるな。貴様の子等は魔界にて責任をもって引き取り、立派な魔族に育てるよう手配しよう。」
それを聞いた竜はさっきより少し穏やかな表情になると
「あの子たちを…頼む。魔王様。」
と言い残しこうべを垂れた。
すまん、しかしこれも魔族の存亡の為!
俺が竜の首に剣を振り下ろそうとしたその瞬間!
ロジャー「待ってくれ!リオン殿!!」
ロジャーが叫んだ。
思わず着地を忘れ地面に転げ落ちてしまった俺。
リオン「イテテ…どうしたというのだ?ロジャー。」
ロジャー「アレ…ドラゴンのはるか後方を見てくれ。」
ロジャーは巣を指差した。
まさかコイツが気付くとは…一応話合わせておくか。
リオン「あれは…竜の卵?」
ロジャー「もしかしたら…俺達はとんでもない勘違いをしていたのかも知れない。」
オイ、達って言うな。お前だけだから。
リオン「まさか…この竜はあの卵の子達を守るために?」
ロジャー「ええ。はじめに言っておいてなんですが…その竜を逃がしてはどうですか?」
オーイ、それ完全に俺が悪いみたいな言い方じゃない?腹立つわ~コイツ。
斬っちゃおっかな?どうせ蘇るし。
いやいやここは抑えよう。
リオン「…そうだな。第一この竜が魔族ならば人語を喋るはずだがそれがない。」
これは事実である。魔界の生きものは人語を話す。
ロジャー「そうなのですか…この竜には悪いことをしてしまった。」
最初のコメントを投稿しよう!