魔族の憂欝

2/3
前へ
/117ページ
次へ
*「リオン、リオンはおらんのか!」               リオン「はいはーい、いるよ。なんだよ、親父。」                       俺の名はリオン、魔族の王だ。                      「今日はお前に相談がある。きいてくれ。」                コイツは俺の親父のバリテック。つまり魔王の上に位置する、大魔王だ。               リオン「相談?いったいなんでぇ?」                   バリテック「勇者が…わしらを倒すために旅立ったらしい。」                    リオン「…まぁ、しゃあないっちゃしゃあないんじゃね? …おれら魔王だしな。」             バリテック「ちょっと待て!確かに昔の魔王はやれ世界征服だの人類滅亡させてやるだの色々悪いこともやった。 だが…わしら何かやったか?あやつらはわしらが魔王だという理由だけで殺そうとしておるのだぞ!」              リオン「まぁ、確かにアンタが大魔王になってからはおれらはこれといった悪事は働いてねぇかもな。大魔王失格だよ。 でもよ、さっさと勇者殺しちまえば早いんじゃね?俺が殺してきてやろうか?」            バリテック「…お前は何もわかっていない。奴らはな、死んでも所持金が半分になるだけでまた王さまの力で蘇るんじゃ!!」               リオン「…マジで?」              バリテック「そしていずれ力をつけてパーティを組んでかならず攻めてくる。 しかもわしらがHP回復できないのをいいことに奴らはベ○マやらケア○ガを使い放題じゃ。いや、勇者に至ってはベ○マズンなどという反則技まで使ってくるのじゃ!」                   リオン「べ…ベホマ○ン…!なんて汚ぇんだ。勇者!汚すぎるぜ!!じゃあ俺たちは滅びるしかないのかよ!」                      バリテック「いや、そこでワシは考えた。勇者に近付き、仲間になったふりをして…少しずつ勇者に魔族はそんなに悪いヤツじゃないということを刷り込むのじゃ!こうすれば勇者はワシらを殺しにはこない!」             リオン「なるほどな。そしてその役を俺にやれと。」
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

719人が本棚に入れています
本棚に追加