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リュイは扉を開ける時
少し緊張した。
この船に乗船してから
パパスから話を聞いたり、
遠くから見掛ける事しか無かった
船長さん。
パパスは夜中に
よく船長の所へ行っていた様で、
リュイもそれに
付いて行きたかった..
が、我儘を言って
パパスを困らせたくも無かった。
ゆっくりと木製の扉を開くと、
目の前のテーブルに
船長さんと、リュイ達と同じ
この船に乗船している、
商人らしきおじさんと
何やら話をしている様だった。
船長とおじさんが
リュイの姿に気付くと、
リュイはペコリと
お辞儀をしてから
「初めまして。
パパスの息子のリュイです。」
と少し緊張気味に挨拶をした。
船長は髭を蓄えた口を
横に大きく広げ
ニッコリと笑った。
「私がこの船の船長だ。
坊やの父さんには
昔よく世話になったものだ。
坊や。
お父さんの言うことをよく聞いて
立派な人になるんだよ。」
リュイの頭を優しくなでながら
まだ微笑んでいる。
そして、商人らしきおじさんも
「坊やはお父さんと2人で
旅をしているんだってね。」
と感心した様子で微笑んでいる。
きっと、このおじさんも
お父さんと話した事が
あるのだろう。
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