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「パパス様 パパス様!
お産まれになりました!」
召し使いが階段から、
転がる様に慌てて降りて来た。
「そっ そうか!」
(ついにこの時が来た!)
今までの
張りつめていた糸が切れたのか
パパスの声は震えてしまった。
しかし顔には
自然と笑みが溢れていた。
急いで階段を上がると、
そこはちょっとした
広間になっている。
「パパス様
おめでとうございます!
本当に可愛い
玉の様な男の子で!」
その広間で待っていた
別の召し使いに祝福を受けると、
頭の中は『男の子』という
言葉でいっぱいになった。
「うむっ。」
と威厳を保ったつもりだったが、
嬉しさのあまり足が早まっていた。
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