プロローグ

3/4
前へ
/33ページ
次へ
扉を開けると、 綺麗な花の模様を 金や銀の細工がされた柱に、 薄い絹の様な布で覆われた ベッドがある。   そこには最愛なる妻マーサと、 今まさに産まれたばかりの..   そう..召し使いの言う通り、 マーサに似た玉の様に愛らしい 赤ん坊がいた。     「あなた…。」     疲れきった様子のマーサに 優しく微笑みかけ、 まだ震える手を取り握り締めた。     「よくやったな! おうおう、 この様に元気に泣いて…。 早速だがこの子に 名前を付けないといけないな。」     「うーん………………。」     「よし浮かんだぞ! トンヌラ というのはどうだろうかっ!?」     その名前を口にした瞬間、 召し使い達は顔を見合わせ 困惑した表情をしたが.. そこはさすがマーサだった。   なかば強引なパパスを 軽くあしらうのはもう慣れていた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加