旅立ちの朝

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階段を上がり扉を開けると、 一気に冷たい潮風が 入り込んで来た。   さっきむくれて赤くなった鼻が 余計ツンとして赤くなった。     周りは一面の海原で、 朝日が水面に反射して 眩しいくらいの青だった。     そう、パパスとリュイは 船でずっと旅を続けているのだ。     物心ついた時から ずっとパパスに連れられ、 いろいろな町や村に行った。     これから行く予定の村には しばらくとどまると言っていた。   久しぶりに父と 二人でゆっくりできると思うと、 リュイは嬉しくて仕方なかった。   もうすぐ その村に着く事を考えると さっきまですねていたのが 嘘の様に心がウキウキしていた。     (あとどれくらいで着くのかな?)   早まる気持ちが抑えられなくなり 一人でじっとしては いられなかった。
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