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扉を出て上を見上げると、
操縦士のジョイがいた。
今日も朝早くから、
一番見晴らしのいい場所で
舵を取っている。
「おはようジョイさん!」
リュイは、あとどのくらいで
村に着くのか聞くために
ジョイの所へ駆け寄った。
その嬉しそうな
リュイの笑顔を見たジョイは、
すぐに何を聞きに来たのか
分かった。
そして、少し寂しいな..
という気持になった。
「もうすぐビスタの港だ。
といっても何も無い
小さな港なんだよ。
あんたら親子のためだけに
あんな港に寄ってゆくなんて
船長も人がいいよなぁ。」
ジョイはそう言った後すぐに
後悔した。
まだ6歳の子供に
あんな皮肉混じりの事しか
言えないなんて..
リュイはこんなに
慕ってくれているのに
可哀想な事をしたと思った。
「そうなんだぁ…。
でも僕は何も無くてもいいんだ!
お父さんといっぱい遊べれば!」
そう言って、ニコニコしながら
背伸びをして
船の進む先を覗いている。
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