最後の I LOVE YOU

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俺は、ビックリしてしまった。 この子って…。 外見は、チャラチャラして俺の嫌いなタイプにしか見えないが、中身はキチントしてる。 20歳の子が、今時、キチント頭を下げれる子なんて、今の世の中に、どれ位いるだろう。 しかも、長い髪の毛を気にしながら、失礼の無い様に、目上の人への心配りの出来た子なんて…。 俺の、ユウに対する気持ちと印象が180度変わった瞬間だった。 「こっ、こちらこそ。」 「楽しかったし、また行きましょう。おやすみなさい。」 「有難うございます。次回を楽しみにしてます。」 「あっ、おネーを宜しくお願いします。」 「おやすみなさい。」 「おネー。じゃね。」 笑いながら手を降っていた。 俺は、感心しながら、そして反省しながら車を動かしたのである。 駐車場から、通りに出る時に、ふとサイドミラーに目をやると、ミラーの隅に小さくなったユウの姿が写っていた。 最後まで車を見送っていたのである。
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