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とある5月の晴れ渡った日だった。
遅い桜前線にも終りを告げるかの様に、桜が舞っていたのを覚えている。
名前を、「未来と書いて、ミキと言います。」
「すっごいベタだけど…。何と無く自分では、気にいってます。」
と、少しハニカミながら笑ってた。
アゴのラインがシャープなキレイ系の顔立ちで、目が大きく、猫の様な瞳が輝いていた。
色白で、透き通る位の長くしなやかな指を、アイスミルクティーのグラスとストローに絡ませながら、一見すると、綺麗でキツイ顔立ちの彼女には、似合わない笑顔で、「宜しくネ」と言って微笑んでいた。
それが、ミキとの初めての出会いである。
俺が27歳、ミキが25歳の5月の晴れた日であった。
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