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北の田舎の小さな街。
赤提灯が一番似合う様な田舎の繁華街。
そんな中で多少、割高な、いわゆる高級クラブと言われるであろうクラブがあった。
それなりに、身なりのしっかりした年配のお客ばかりで、ドラマの中で良くみかけるボトルや、フルーツの盛り合わせ等が、行儀良くテーブルに置かれていた。
間違い無く、俺にとっては場違いな場所で、27歳の若造が居れる空間とは、とてつもなく掛け離れていた。
正直、今までに経験した事のない位、めい一杯の背伸びをして緊張しながら、馴れないバーボンを口に運んでいた。
そんな中で突然、しかも唐突に、「リクエストは?」
なんて言われても…。
しかも、初めて見るミキの大人びたドレス姿。
いつもと同じ、ファンデにアイラインにチークにルージュなのに…。
まるで別人の様に、光り輝いていた。
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