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タムリエル皇帝ユリエル・セプティムは、レインと自身は神々の導きでこの牢獄で出会ったということ、やがてレインがタムリエルに生きる者として人々の記憶に残る事になるだろうと予言した。
しかしレインは神の導きなどどうでも良かった。とにかく一秒でも早くここを脱け出し、スイートケーキを食べながら焼炉で焼いた薬材をレトルトに移す作業をしたり、新鮮な空気を吸いながら羽衣草の葉を森に探しに出かけたりしたかった。
「お言葉ですが…」レインは言った。
「自分のやり方でさせてもらう。私は特に名声があるわけでもないし、剣の腕が立つわけでもない。魔法だって未熟です。そんな私に何が出来るというんだ?」
「誰もがそうであろう…だが神々に定められた運命を逃れる術などあろうものか…」
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