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プロローグ
「なんということだ」
「最後の王族の崩御だ」
「どうすればよい?」
「このままでは世界は混乱してしまう」
「どうすればよい?」
「マザーだ!」
「そうだ、マザーにお伺いをたてよう!」
「そうしよう!」
ざわざわと騒ぎ立てているのはこの世界の神官達である。
こともあろうにこの世界を統べるべく存在していた王族が一人残らず変死してしまった。
魔法が世界の基準であったのに、この世界の人類も科学を覚えた。
科学と魔法。
対立した二つを掛け合わせ始めたのが間違いだったのだろうか?
世界は次第に安定を失った。
そんな折りの王族の滅亡。
王族は絶対的に圧倒的な魔力を持っていた。
だからこそ、世界を統治出来ていたというのに。
ただ、ゆえに安定を失った今、滅亡しなければいけなくなったのかもしれない。
皮肉なことだ。
統治する者がいなくなれば世界はさらに混乱する。
王族の次に位の高い神官達はこれからどうするか決めなければいけなかった。
神官が、代わりに治めればいいと安易に考える者がいるかもしれないが、王族と神官では圧倒的に魔力が違う。
とても、広い世界の全てを治めることはできなかった。
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