mask.1

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かたりと陶器がテーブルに置かれた音がして、私は目をそちらへ向けた。 義母が不機嫌そうに私を見ていた。意志の強そうな目が、私を見据えたまま動こうとしない。 「文緒さん」義母は私を睨んだまま呼びかけた。 「はい、義母さん」「敦の帰りが遅いわね。あなたは何か知らないのかしら?」「いいえ、義母さん」 義母は私を一瞥すると、そう、と一言つぶやいて椅子から立ち上がった。 .
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