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「仕事が忙しいなんて嘘に決まってるじゃない。どうせ女に違いないわ」義母は口癖のようにそれを言った。そしてその後は必ず私の方を睨むのだ。
私が―――私が、義母にとって目の上の瘤でしかないことは知っていた。彼女にとっての理想の家庭は父と義母、そして愛する息子の三人なのだろう。もうひとつ、どうやら私が生前の母によく似ていることも憎い対象らしい。
私と母は幼い頃から似ていると言われてきた。目元も鼻筋も口元も、私は母の全てをコピーして産まれた。確かに義母にとっては、夫の前妻と瓜二つの輩がいるなんて嫌に違いない筈だ。
そんなわけで、私は毎日のように彼女の目の敵にされるのである。
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