mask.1

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―――やだなあお袋、大学に論文を書きに行ってたんだ。 ふざけるな、私は強く拳を握り締めた。 私は、あまり彼が好きではなかった。人を馬鹿にしたような笑いで相手を見下し、我儘で気まぐれな常識のない男。まるで義母の宝物のように、大事に大事にされているあの男。 散歩に行く気にもなくなり、私は踵を返して書斎に向かった。 .
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