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「…で?」
頭にタオルを巻いた青年──林実久はイライラしていた。それもそのはず、現在の時刻は午前1時過ぎ。通常なら眠りについている時間帯である。
実久は作業をしていた為遅くまで起きていたのだが、その作業も片付き、そろそろ寝ようとしていた矢先の呼び出しメールだったのだから無理もない。
「まぁまぁ、落ちつこうよミク」
「“ミク”じゃねぇ、“サ ネ ヒ サ !”」
「え~、絶対“ミク”の方が可愛いのに~」
実久を呼び出した張本人である相良芯は、楽しそうにへらへらと笑いながら彼をからかう。
「おーまーえーな~ッ!!」
「どうぞ、コーヒーです。」
からかわれてムキになる実久をよそに、芯へと静かに差し出されたコーヒー
「実久はミルク多めでしたよね?」
そう言ってコーヒーを煎れてきた本人である七千流希は、実久のカップにミルクを多めに入れていく。
「はい、実久のコーヒー」
「お、おう。サンキュ」
流希からカップを受け取り、実久はソファーに腰掛けてコーヒーを美味しそうに飲み始める。
「それで、本題に入りたいのですが……用件は?」
自身のカップに口を付け、流希が芯に尋ねる。
「うん。…はいこれ、今回の依頼。」
ズズ…と、芯は音を立ながら流希が煎れたコーヒーを啜り、先程パソコンに届いたメールをコピーした物を二人の前に差し出した。
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