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「──なるほど、槇村幸助…ですか。」
ふむ、と顎に手をやりながら流希が意味ありげに呟いた。
「知ってる? ルキ」
「えぇ、過去に新聞やニュースでも取り上げられていましたし、義兄の口からもそんな名前が何度か。」
槇村幸助…俳優から起業家へと転身し、現在では日本国内にいくつもの店を持つ男だが、その一方で恐喝紛いの手法や詐欺グループ、暴力団との繋がり等が噂されている。
今回の依頼はその槇村幸助が主犯とみられる詐欺事件で、5年前に父親を亡くした女性からのものだった。
「…で、どうするんだよ。今すぐブチのめしに行くのか? ソイツ。」
「今すぐはちょっと…、時間も時間ですし」
「だよねー。情報ももっと欲しいし、そうだな…うん、決行は明後日の夕方にしようか。」
どう? と芯が2人の仲間に聞き、その2人どちらもが揃って同意した。
「そんじゃ、決まりってことで。」
──そして賽は投げられる──
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