†童は見たり†

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 12月半ば。  街の通りは先日の大雪による真冬の寒さをものともせずに賑わいを見せていた。  12月はこの国で一番盛大なカーニヴァルがある大切な月である。  親子連れが通りの店を埋め尽くして、嬉しそうな顔でプレゼントを選ぶのに必死になっている。  ふと街頭に目を向ければ暖かいホットワインなどを飲む人も目立っていて、それを見ているとただ1人街を歩く少年には何とも言えない感情が湧いていた。  いや、帽子を目深に被って髪をきっちりしまっていたのと、お下がりなのかボロの男の子のような服を着ていた為、周りからは分からないが愛らしい顔つきの少女であった。 (お金…足りないや)  ジンジャークッキーも甘い匂いのするお菓子も買えない。  ましてや、親子連れのように木彫りの玩具を買うのも無理な話だ。  しかし、少女が欲しかったのはお菓子でも玩具でもなかった。  せっかくクリスマスを過ぎた後にあるパーティーに呼ばれたのにパーティーに着て行ける服がなかったのだ。  服が無理でもせめて、きらきら光るブローチが欲しかった。  
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