とある町の帽子屋さん

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その店は表向き帽子屋で、一応帽子は置いてあるけれど、店内は薄暗く、ドアには 「CLOSED」 と書かれた板がぶら下がっているという。 その店が開いたことを見た者はごく少数らしい。 「OPEN」の文字が見えるのは、この店に用事がある人間だけなのだ。 たとえばそう、ちょうど今店の前で立ち尽くしている少女のような。
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