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───パタン・・
虚しく扉が閉まり
私はのろのろと歩き出す
履き慣れないせいか靴擦れをして足を痛めてしまった
私は近くにあった椅子に座りヒールを脱ぐ
「赤くなってるや・・・」
見るからに痛々しい傷
「はぁ・・・」
私・・・何やってるんだろ
こんなドレス着て
髪の毛も靴も全部何の為にしたんだろ・・
私は桂先輩と一緒に居たかっただけなのに・・
欲張りだったのかもしれない
もっと私が可愛くて大人っぽかったら
つりあうのかな?
お金持ちのお嬢様だったら・・・?
堂々と
私が彼女だって胸はって言いたいよ・・・
「ねぇねぇ、彼女~」
うずくまる私に誰かが話しかけてきた
見ると
見た事もない男の人が私を覗きこんでいた
「さっき居た子だよねー?かなり可愛いね。一人?」
「え・・っと、」
いきなり言われ私はビクビクしてしまう
誰・・・・・?
「あれ?何かあったの?」
そう言って私の目の下をなぞる
・・私泣いてたんだ
最近すぐ泣いちゃって嫌だな
「悪い事はこれ飲んで忘れよー。はい」
そう言って渡してきたのは一杯のグラス
私はせっかくくれたのに断る訳にもいかずもらう
「ほら、一気に飲んで忘れなって!」
「・・・・・・」
男の人はそう言って自分のを飲む
あまりに美味しそうに飲むから
私も飲んでしまった
すぐに体が熱くなる
頭がポーってしてきた
男の人はニヤニヤしながら私を見ていた
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