118人が本棚に入れています
本棚に追加
少女の足元に二体の死体。
血にまみれて倒れている。
「……汚いものね…」
うっすらと笑みを浮かべていた少女のその真っ赤な瞳は
その冷たい表情とは裏腹に、僅かな哀しみを宿していた。
「…貴方達の血は……汚い…貴方達の心は酷く醜いから……きっと…私も…」
透き通るような声。
何もない空間に響き
風に掻き消された。
「さようなら……貴方達では私を…殺すことなど出来ないわ」
小さく放った声が風に消える。
風で騒めく森に
少女の背中は遠くなっていった。
最初のコメントを投稿しよう!