第零章

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……眼を開けると雲ひとつない青空が見えた。……起き上がることができない。仕方なく顔だけ横を向く。 (ここは…どこ…?) まわりに岩肌が見える。奥には静かに河が流れる。どうやら河原のようだ。 (なんで僕、こんな所に?) 思い出そうとするが頭がうまく回らない。考えようとするたび目眩がする。 (ダメだ…。なんにも思い出せない。) あたりから鉄の様な匂いがした。見える範囲で探すと腕に血がこびりついていた。とっさに身体中の感覚を研ぎ澄ましたが痛みはなく、怪我をしてるわけではなかった。 (とりあえず、起きててもしかたない。) 彼は再び眠ることした。眠気は襲い彼は簡単に深い眠りに堕ちた。
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