第一章 放たれた破壊者達

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マガ法師は地球を映し出す空間スクリーンを見ながら呟いた。 「もう我慢ならぬ」 「法師様、いよいよ」 武官のザラスがひざまずく姿勢のままで、法師の次の言葉を待つ。 「ザラス、地球は消さねばならぬな」 「はい、私もそのように思います」 「うむ、我等の支配する地域の中では最悪の惑星だな」 「はい、すでに炎(えん)を送り込む手配は終わっております」 「うむ、炎なら適任だな」 「すぐに行かせます」 「あと、雪も試してみたらどうか?」 「法師様、雪は破壊者には向きません、優し過ぎます」 「だから雪には地球人を恨ませるように育てるのだ、急ぐ事はない」 「はい、二人に率いさせる軍団も隠して、時が来るまでは眠らせて置くように致します、炎も子供の形態で送り込む手筈です」 「最期の日が来るのが楽しみだな、ザラス」 「はい、私も楽しみにしております」 数時間後に二人の少女と配下の大軍団を乗せた2隻の巨大宇宙船が離陸して行った。 地球を滅ぼす二本の矢は放たれた。
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