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マガ法師は地球を映し出す空間スクリーンを見ながら呟いた。
「もう我慢ならぬ」
「法師様、いよいよ」
武官のザラスがひざまずく姿勢のままで、法師の次の言葉を待つ。
「ザラス、地球は消さねばならぬな」
「はい、私もそのように思います」
「うむ、我等の支配する地域の中では最悪の惑星だな」
「はい、すでに炎(えん)を送り込む手配は終わっております」
「うむ、炎なら適任だな」
「すぐに行かせます」
「あと、雪も試してみたらどうか?」
「法師様、雪は破壊者には向きません、優し過ぎます」
「だから雪には地球人を恨ませるように育てるのだ、急ぐ事はない」
「はい、二人に率いさせる軍団も隠して、時が来るまでは眠らせて置くように致します、炎も子供の形態で送り込む手筈です」
「最期の日が来るのが楽しみだな、ザラス」
「はい、私も楽しみにしております」
数時間後に二人の少女と配下の大軍団を乗せた2隻の巨大宇宙船が離陸して行った。
地球を滅ぼす二本の矢は放たれた。
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