4人が本棚に入れています
本棚に追加
朝がやってくる。
いつもと変わらぬ朝。
初夏も近づく朝の日差しはポカポカとしていて実に眠気を誘う。
ピピピピピピピピ!!
ベットに置かれた目覚ましが指定された時間を告げている。
「ん~っ……」
僕はベットの中から手を延ばし、目覚まし時計を探す。
ゆらゆらと手は虚空をさ迷い、やがて目当ての物を見つけると時計の上のスイッチを切る。
「ん♪」
僕は再び気持ちいいまどろみの世界に戻る。
暫くすると、階段を上ってくる足音が聞こえる。
僕には毎朝起こしに来てくれる近所にすむ幼なじみが居る。
因みに、僕の両親は海外へ仕事で飛び回り、家には僕しかいない。
これだけ聞くとどこぞの恋愛ゲームのようだが、その起こしに来る幼なじみが…
「おら!起きろ坊主!」
男なのだ…
「恭介…」
彼は伊達 恭介(だて きょうすけ)幼なじみである恭介は家が近所で小さい頃から一緒にいて、友達というより兄に近い存在だ。
「おら、さっさと起きろ」
恭介は乱暴に僕の布団を剥ぎ取る。
「寒い…」
「何言ってんだよ!朝飯、出来てるから!10分後に下な。二度寝はすんなよ!」
そう言って恭介は階段を下りていった。
最初のコメントを投稿しよう!