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そして、朝食を終え僕らは学校に登校し始める。
「恭介、家の方はいいの?」
「ああ、あのクズは帰っちゃ来ないし、戸締まりはしてある。」
恭介の言うクズとは恭介の実の父親の事だ。昔は有名な陸上選手だったらしいが事故で怪我をしてそのせいで引退を余儀なくされ、それ以来酒浸りになっていてそんな父親に恭介は近づくのを嫌い、あまり家には帰ろうとはしない。
そんな理由もあり、恭介はよく僕の家に出入りして料理を作ったりしてくれる。
「あ~、今日は英語小テストだぜ~かったりぃ…」
「寝てばっかりなんだもん恭介は…真面目に授業うけなよ。」
「お前は俺の母親か!」
「どっちがだよ」
そんな会話をしていると
「スバルー!伊達君ー!」
と声をかけられる。
「おーす、姫宮」
「おはよう。彩」
僕たちを呼びながらこちらに駆けてくる少女は、姫宮 彩(ひめみや あや)僕と恭介の幼なじみで同じ高校に通っている。
長い黒髪を高い位置で結いあげポニーテールにしていて、ぱっちりした大きな瞳で調った容姿から学校の男子からはかなり人気があるし、面倒見のいい性格で女子からの人望も厚い。
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