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「おはよう。今日も仲がいいわね二人とも。」
「ああ、俺達は愛し合ってるからな。」
何て事を言いながら恭介は、僕の首に腕を回す。
「いやいや、愛し合ってないから…」
すかさず僕は恭介の腕をかわす。
「つれないなぁ…」
恭介は微妙に涙目だ。
「早く行かないと遅刻だよ。」
僕は恭介をスルーする。
「はいはい。真面目なこったね坊主は。」
「伊達君はもう少し真面目に授業受けないとかなりまずいわよ。一年の学期末だってギリギリだったんでしょ。」
「うぉーい、嫌な事思いださんでくれよ。」
恭介は陸上で将来を期待されるほどの運動神経の持ち主なのだが、勉強はからっきしなのだ。因みに、彩は学年トップの才女、僕はピッタリ中間くらい。
「いやだよ、留年なんて。ただでさえ成績低いのに単位が足りません何て死亡フラグだよ。」
「スバルちゃん、おまえ容赦ないね…」
恭介、再び涙目
「恭介を思う愛のムチだよ。」
「鞭打ち症になっちまうぜーっ」
「うまい事言ったーとか思ってないよね恭介…」
「え?笑えねぇ?」
「「……」」
そんな風に馬鹿な話をし会う毎日。
そんな何処にでもある毎日。しかし、そんな平凡が物語の序曲であるとはまだ誰も気付いてはいなかった。
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