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いつもくだらない話で時間を食っている僕達は、登校も時間ギリギリだ。
「まずいな…」
校門が閉まる時間まで後一分ほどしかなく、僕達は全力で走っていた。
「だから早く行こうっていったのに!」
「スバルよ、過去を憂いてばかりでは前に進むことは出来ないぞ!」
「何ちょっと名言っぽく言ってんのさ!」
「はいはい、夫婦漫才はそこら辺にね。」
彩が僕たちの口論を諌める。
「何で夫婦!?」
「まずい閉まっちまってるぜ!」
まだ校門まで距離があるのだが、恭介はその卓越した視力でいち早く僕らが間に合わなかったのを察知した。
「どうするの?」
校門まで着くと、固く施錠された鉄柵が待ち構えていた。
「遅刻なんて勘弁だ!」
「いつものね。」
「またですか…」
そう言って僕たちは校門を通りすぎ、人気のない裏門に回り込む。
「誰もいないな。」
恭介は辺りを見回しそう呟く。
「OKだよ。」
僕は塀の向かいから誰も来ないことを確認する。
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