†第01章†

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「あ、あの…お詫びに…」 スタスタ…… 「へ?」 男の子はスタスタと無言で歩いて行ってしまった。 「は…?シカト!?」 シカトされた事に気付くと段々イライラしだした。 「自分がちょっとすごくかっこいいからって……くっそぉ~!! 一目惚れとかないなありゃ!一瞬の気の迷いだ!!」 ブツブツと文句を言って歩き出したあたし。 すると後ろから声が聞こえてきた。 「あの~…これ君のだよね?」 「え?」 振り返るとこれまた美形!! 今日は男運いいのか!?……てさっきの奴は顔だけだし!! 「あの……」 困ったように差し出された物はさっき買った包みだった。 「え、あ!ごめんなさい!!」 さっきぶつかった時落としちゃったんだ! 「い~え」 にっこりと笑うその人……ヤバいです!! 犯罪です!! 「じゃぁね」 と帰ろうとしているところをあたしはガッシリとつかんで言った。 「ぜひ名前を教えてくださいっ!!」 ……言ったというより叫んだの方が近いかもしれない…。 周りの人が一斉にこっちを振り返った。
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