八百屋のおじさんは青島さん。

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「どういうことですか!?泊められないとは!!」 旅館のロビーで叫んでいる一人の男がいる。主人公の伊藤修一だ。 旅館の主人は答えた。 「ですから、当旅館は完全予約制となっておりまして……」 修一は反論した。 「昨日電話したじゃないですか。」 「空き部屋は無いって言ったじゃないですか。」 「もう、電話したからいいじゃないですか。」 「電話すりゃいいってもんじゃないじゃないですか。」 修一は黙ってしまい、反論の言葉を探した。 そして、トーンを落として、こう言った。 「いくらだ………。」 「え?」 「いくら払えば泊めてもらえる?」 「いや、空き部屋無いんで無理です。」 少し間をおいて、修一は、ポケットの中を探し始めた。
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