八百屋のおじさんは青島さん。

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「これでどうです?」 修一は主人の方をじっと見つめながら、1000円札をひらひらさせている。 「まっっっっっっっっっっっっったく足りません。宿泊料にも満たないですよ。」主人はもっともな反論をした。 「足りないというのか?なら、これではどうだぁ!!!」 修一はそう言って、カウンターの上に、先程の1000円札と、新たに財布から取り出した500円玉を叩き付けた。 この時、修一は「強く叩きすぎて痛ぇ。」と思っていたが、今は関係ないのでスルー。 主人は「少ねぇよ。1500円で、ここまで偉そうに宿泊要求する人初めて見ましたよ。私は。」とかなんとか思ったり思わなかったりしたが、口には出さずに、無言で指を鳴らした。(そのときの指パッチンの音は、とても綺麗に響いたという。) すると、何処からともなく(実際は、カウンターの奥から)黒スーツを着て、サングラスを掛けた、長身の黒人が二人現れた。 黒ずくめの男×2は、修一の両腕をがっしりと掴むと、彼を旅館の外に連れていった。 「やめろぉ!離せぇ!!500円あげるから勘弁して~~。」
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