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「……あっ、えっと……何?」
すぐに反応が出来ず、口がもたつく。
「……あなた、近々部活で公の場に出るわよね」
クロカミさんは静かに言った。
確かに、来月初めに新宿の小さいハコでコピーイベントのライブをすることになった。
俺がギター、ドラムが総也、ボーカルの陸とベースの結城の4ピースバンドだ。
「出るけど、それがどうかしたかな」
弱気に発言してみる。
「はっきり言って、出ない方がいい」
いつも喋らないわりには、アナウンサー並みに滑らかにはっきり喋るクロカミさん。
出ない方が……いい?
俺は状況をよく飲み込めない頭をフル回転させていた。
「そう、出ない方がいい」
まるで心を読まれているかのように、受け答えされる。
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