2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたは今からちょうど三千日後に死ぬ」
まだ九九も言えぬ頃、幼い彼女から幼い僕は「死」を宣告された。
「ふ~ん……。
ねえ、しぬのっていたいのかなぁ。
このまえおばあちゃんはしんじゃったけど、うれしそうなかおしてたよ。
しぬのっていいこと?っておかあさんにきいたらおこられちゃった。
おばあちゃんはいたいのくるしいのいっぱいがまんして、やっとらくになれたんだって。
しぬのはけしていいことじゃありませんって。
どうおもう?」
聞いても彼女は答えなかった。
僕のことなど視界に入っていないかのように彼女はずっと、遠くを見つめていた。
この宣告の日から、今日でちょうど二千九百九十八日が経つ。
最初のコメントを投稿しよう!