僕と彼女

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「あなたは今からちょうど三千日後に死ぬ」 まだ九九も言えぬ頃、幼い彼女から幼い僕は「死」を宣告された。 「ふ~ん……。 ねえ、しぬのっていたいのかなぁ。 このまえおばあちゃんはしんじゃったけど、うれしそうなかおしてたよ。 しぬのっていいこと?っておかあさんにきいたらおこられちゃった。 おばあちゃんはいたいのくるしいのいっぱいがまんして、やっとらくになれたんだって。 しぬのはけしていいことじゃありませんって。 どうおもう?」   聞いても彼女は答えなかった。 僕のことなど視界に入っていないかのように彼女はずっと、遠くを見つめていた。 この宣告の日から、今日でちょうど二千九百九十八日が経つ。
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