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波の音、潮の匂い、どこまでも続く青……
明日にはすべてを失う。
運命というのはあまりにも残酷だ。
決してあがらえない鎖のように、長い間僕に絡み付いていた。
しかし、それから解放されるのだと思うと、少しは気が楽になる。
ふと空を見上げると、灰色の雲が陽光を妨げていた。
彼女も頭を上げる。
「あと一日ね」
僕は腕時計を見た。
ちょうど午後三時半。
僕の命は、残り二十四時間。
カウントダウンが始まった。
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