突然の別れ

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ボクは毎朝欠かさず日が昇る前に前足の腹でご主人さまのほっぺを押す。目覚まし時計にも太陽の光にも反応を示さない彼も、ボクにだけは反応を示してくれる。 その後毎朝の日課の散歩に出かけては、1日1本にぼしをくれたんだ。このにぼしみたいに長く強く生きていけるようにって。ご主人さまの優しさが嬉しかった。 ボクは本当はにぼしが大好きですぐにでも食べたかったけど、勿体ないから取っておいた。あのにぼし…どこにしまったかなぁ…忘れてしまった。 また眠気が襲ってきた。次はもっと楽しい夢を見よう。ボクはしとしとと降る静かな雨音を子守歌に、ゆっくりと眠りに落ちてゆく。
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