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顔を洗面台で洗い体を起こすと紀近の目の前には自分が居た
『ふぅ…』
鏡に写る自分の表情をみて紀近は溜め息が出た
(何でこんな顔してんだろ)
紀近は家族の4人が大好きだった
それなのにムスッとした顔でそっけなく返事をして一緒に居ると離れたくなってしまう
『はぁ…時間が戻せるなら少しでも戻してーな』
紀近はそう呟きまた水を両手ですくって顔に浴びせた
ハンカチ変わりに服の袖で顔を拭いまた鏡を見ると…
『母さん…………』
そこには何故か夏実がいた
「もぉ!ノリったらそれ新しい制服なのにー!ほら、ハンカチちゃんと使ってよー」
『あ、あぁ…ゴメン』
普通に接してくる夏実に対して驚いている紀近は無意識に素直に謝っていた
「あら?ノリが謝るなんて珍しい!!」
『そうだった…っけ?』
(そういや…ゴメンなんていつぶりに言ったっけ…ははっ)
「そうよぉ!ノリぃ!!ママ嬉しいなぁ~!」
そう夏実は照れ臭い顔を隠すようにまた袖で顔を拭く仕草をする紀近に抱きついた
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