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アポルは冷や汗をかいていた。
三年になってやっと勝ち得た学園対抗戦、決勝戦出場という栄光。
(自分の強さには自信があった。
武器の扱いに長けているヒュペリオン学園の中でもぶっちぎりで優勝出来たし、有名ギルドからもスカウトが来たこともある。
なのに……なのに…対峙しただけで感じる、この覇気に動けないでいる。)
そんな事を考えながら自分の事が情けなく思えていた。
サイは歩いた。
ただ一歩ずつ、ゆっくりとアポルに向かって……
アポルは一歩も―――否、微動だに出来なかった。
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