闘病生活のはじまり

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癌の腫瘍を小さくし、転移を防ぐために放射線治療が始まった。 父はただジーッと ベットに横になっていた。 痛いも苦しいもいわず、ただ天井だけをいつも見ていた。 草花は父のその姿を見て誓った。 【お父さんの前では】 【絶対に泣かない。】 いま自分に出来ることは、お父さんの前でたくさんわらうことだ。泣いたりしたら、がんばっているお父さんに失礼だ。 14歳の草花は 病室で明るく振る舞った。 父が笑う。母も笑う。 自分も笑う。 草花は小さい頃から人を笑わせる子だったので 病室はいつも賑やかだった。
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